おいしいお米の新ブランド「新之助」があの新潟から誕生。 ライバルは、何と「新潟魚沼産コシヒカリ」なんだって。
お米のブランドといえば、一番有名なのはやっぱり王者「コシヒカリ」ですかね。
そんな打倒コシヒカリではないんでしょうけど、今、全国の米どころから、新ブランドが販売されてきています。
ブランド米として出てきたブランドとしては、北海道から「ゆめぴりか」、青森から「青天の霹靂」、山形からは「つや姫」が売り出されています。
乱立状態のブランド米市場に、この2016年は、岩手から「銀河のしずく」が本格的に一般販売されてデビューしました。
いずれも日本穀物検定協会の食味ランキング(※1)で、最高評価を受けた実力派です。
そんな中、絶対的王者「魚沼産コシヒカリ」を有する新潟から、新ブランドが登場します。
その新しいお米のブランドが、『新之助』です。
では、そのお味は一体どうなのでしょうか。
『新之助』は、大粒できれいなツヤがあって、ほんのりとした香りと、豊潤な甘みとコク、そしてしっかりした粘りと弾力を併せ持っていて、かつ結果として、その食味は高く評価されています。
また、『新之助』は、食味官能試験の結果、外観、香り、味、粘り、硬さ、そして総合評価のいずれにおいても、新潟の「コシヒカリ」と同じレベルの高い評価が得られているのです。
つまり、『新之助』の味の評価は、新潟「コシヒカリ」と同レベルの高評価ですが、特徴は大きく異なったお米ということです。
<『新之助』の特徴>
・コクと甘味、味の厚みが突出して高い新機軸の食味。
・タンパク質が低く、理想的な比率でアミロースが含まれています。
・表層は他品種と比べて硬めでありながら粘りが強いので、しっかりとした粒感と
粘りが両立。
・ごはんが冷めても表層や粒全体が硬くなりにくく、おいしさを保ちます。
(他品種比較)
・貯蔵における米飯物性の劣化が少ないので、長期貯蔵を行ってもおいしさを
保ちます。(他品種比較)
この『新之助』は、日本一栽培が難しいと言われるコシヒカリを育てた農家の伝統から、何代にもわたって独自の方法を築いて、イノベーションを重ね続けて研究した成果なんです。
そのコンセプトは、”おいしいお米を最高の状態で食べていただくために、田んぼから食卓まで、しっかりとおいしさを導くということ。”だそうです。
なぜ、「コシヒカリ」を擁する新潟が新ブランドを投入する必要があったのでしょうか?
それは、新潟県では「コシヒカリ」の作付面積が約7割を占めていて、作ればそれなりの価格で売れる状態に依存してきてしまったというのです。
でも新興ブランド米の出現で、価格的に追い越されて危機感が募っている状態でした。
そこで2008年から新品種の開発に着手して、20万株もの候補から選考に選考を重ねて、味の良さを磨いてきて誕生したのが、『新之助』なのです。
『新之助』は、「コシヒカリ」より1週間ほど収穫が遅くて、かつ猛暑への耐性が高いので、農家にとっては繁忙期を後ろへずらせることができて、リスク分散することができます。
また厳しい品質基準をクリアした米だけが市場に出回るため、安心感もあって、『新之助』は、きらめく大粒にコクと甘みが満ちている日本の食の未来を切り開く、そんな優等生のお米なのです。
この『新之助』、2016年は試験的に約300tのみで、一部の百貨店や、スーパーマーケット、お米マイスターなどの米穀店でのみ販売されます。
2017年からは、本格的に1万t規模で一般販売される予定です。
そんな新潟の新しいブランド米『新之助』について、くわしくはこちら。
※1
米の評価として有名なのが、日本穀物検定協会によるこの「米の食味ランキング」です。
試食による食味試験に基づいて、基準米より特に良好な「特A」から、良好な「A」、おおむね同等な「A'」、やや劣る「B」、劣る「B'」までの5段階で評価されます。
最も高い評価である「特A」は、平成元(1989)年産から設定されました。
平成元年産で最上位の「特A」の評価を受けたのは、13銘柄でした。
その後の平成5(1993)年産は、記録的な冷夏による大凶作のため、評価対象となる銘柄が少なくて、新潟県魚沼地区のコシヒカリのみとなったのですが、平成10年代まで15銘柄前後で推移しました。
しかし近年、平成20(2008)年産が20銘柄を超えた後、平成23(2011)年産以降で大幅に増加している傾向になっています。
米の育成技術の進化や、良質な新品種の開発などによって、日本の米の食味が確実に向上しているのです。
ブランド米の真打ち登場で、これからのお米戦争から目が離せません。
おいしいお米が、できれば安く食べられれば、それで満足ですが・・・