日本の国民食はカレーライス?
昔、「おせちもいいけど、カレーもね」っていうテレビCMが流れていて、
お正月のおせち料理に飽きたら、カレーがいいよね的なものがありました。
お正月には食料品店はもちろん、スーパーや百貨店も休業していて、年末に
食料を買い溜めしておくのが当たり前だったのも、随分と昔のこと。
だから、お正月といえばおせち料理を中心としたものを食べるのが普通で、
毎日同じようなものなので、おせち料理には飽きませんかってことでした。
そんなおせち料理のあとに何を食べるかで、カレーライスがクローズアップ
されたんですね。
でも最近は、お正月の元旦ですら開いているのが当たり前になっていますが、
労働環境や社会の流れから、正月くらいは休もうというようなところが、
逆に出てきているのではないでしょうか。
<カレーライスの歴史>
日本のカレーの歴史はどうなのか。
一説では、インドのカレーが、明治初期にイギリス経由でカレー粉として
日本に入ってきたと言われています。
そのカレー粉を、日本で初めて商品化したのは、大阪の薬種問屋だそう。
カレー粉の原料の香辛料と、薬種問屋が扱ってきた漢方薬が共通していた
というのがその始まりだそうです。
そんなカレーライスは、まとめて大量に作ることが出来て、栄養バランスも
良くて、その上配膳や片付けが容易なため、旧陸軍や旧海軍で食事に採用
されていた。
軍隊で多くの人がこのカレーライスの味を知り、そしてその作り方を教わる
ことになった。
その軍人達が全国各地に戻ったり、退役したりで、家庭でも作るようになった
ので、一気に広まったものと言われている。
また、学校給食にも採用されて、子供達にも人気が出て国民みんなが口に
する機会が増えていきました。
でも戦前は、カレーライスを庶民が手軽に作ることが出来る料理ではありません
でした。
カレー粉だけでは作ることが出来ないので、小麦粉を炒めて、カレールーを作る
ことから始めなければならなかったのでした。
さらに肉と野菜のスープも必要で、主婦にとっては大変手間のかかる料理でした。
そこで、オリエンタルが、主婦にとっての手間を省くために、カレー粉に牛脂や
バターで炒めた小麦粉を加えて調味料も入った粉末状のカレールウを考案。
さらに1945年(昭和20年)11月、日本初の本格的なルータイプのカレー
「即席カレー」が発売されました。
こうしたカレールーの発明、発売によって、カレーライスが家庭で手軽に作れる
料理となり普及し、国民食にまで成長したのではないかと思っています。
<カレーライスの具材の特徴>
家庭で作るカレーライスの具材には、地域性があるらしいんです。
私が住んでいる大阪など、西日本エリアの特徴。
使うじゃがいもは、煮崩れしにくいメークイン。
肉は、主に牛肉を入れます。
チキンカレーの時には、もちろん鶏肉を入れますが。
そして、らっきょうを添えてカレーライスを食べます。
私は福神漬が好きなので、こっち派ですが。
一方の、名古屋以東の東日本エリアの特徴。
使うじゃがいもは、男爵いも。
肉は、主に豚肉を入れます。
そして、お決まりの福神漬を添えてカレーライスを食べます。
<レトルトカレーも人気>
レトルトカレーも、カレーライスが普及した原因ではないでしょうか。
ちょっと小腹が空いた時だけでなく、昼食や夕食にも出来るレトルトカレー
は、非常食としても活用出来るので、どの家庭にも常備されているのでは
ないでしょうか。
以前は単調な味や、保存食というような味や臭いがあったので、決して
美味しいと褒められるようなものではなかったと思っています。
でも最近のレトルトカレーは、本当に美味しいものが多く、その上、
スーパーなどで特売されていることが多く、コスパが抜群です。
広島の「かきカレー」は、ご当地レトルトカレーランキングで、1位を
飾った人気商品。
神奈川県横須賀市の「よこすか海軍カレー」は、明治41年発行の
「海軍割烹術参考書」のレシピをもとに作られている。
牛脂、小麦粉、スパイスの順で加えて炒め、具材は牛肉か鶏肉を使い、
賽の目状に細かく切ったじゃがいも、たまねぎ、人参が入っています。
JR西日本の「Twilight Express ビーフカレー」という変わり種の
レトルトカレーも人気。
先日いただきもので食べましたが、これがレトルト?というようなお味で、
また食べたくなる程美味しかったです。
<カレーライスは、外国人観光客にも人気>
そんなカレーライスも、今は外国人観光客にも人気だそう。
日本食といえば、「寿司」「天ぷら」「すきやき」や、大阪名物「たこやき」
などというようなものだと思いますが、訪日観光客には最近、カレーライスを
わざわざ食べに行くというのが注目されているようです。
人気店の一つが、ココイチで知られる、CoCo壱番屋のカレーライス。
日本の各地に直営店やFC店があるので、見つけやすいし、味が安定している
という安心感もあります。
何より、1辛、2辛、5辛、10辛などの辛さが選べるところも人気の一つ。
私も、ココイチのカレーは2辛くらいが好きで、テーブルにある辛さを増加
することが出来るスパイスで辛さを変えて楽しんでいます。